おいしい豆腐の条件は、吟味された大豆といい水が基本だといわれています。
豆腐原料となる大豆の良し悪し、作り方にあることはいうまでもありませんが、水もおいしい豆腐を作るにあたって大きな理由となるのです。
昔から「旨い豆腐は水で決まる」といわれるほど、水と豆腐は密接な関係にあります。
豆腐は80〜90%がお水です。お豆腐を食べるということは水を食べているようなものなのです。
昔から豆腐の美味しい土地にはおいしい料理が多いと言われてきました。
では、どういった水ならばおいしい豆腐が作れるのでしょうか?
豆腐に求められる水はミネラルなど余分な成分が少ない軟水が理想的です。
今も昔もおいしい豆腐の産地として京都が知られるのは、この軟水が豊富だからということです。
おいしい水が大豆の香りと甘みを引きだし、弾力のある美しい豆腐をつくります。
柔らかく、弾力のある豆腐は、口にするとなめらかな舌ざわりと甘みを感じ、続いて喉ごしの快感が広がります。
豆腐の栄養分は、原料の大豆の成分によります。
大豆は栄養価が高いといわれますが、そんなに栄養価がいいなら、そのまま大豆を料理すればいい、ということになります。
しかし、豆腐に加工すると、大豆に無い効果が備わるということがあります。
それが「消化吸収率」です。
豆腐はなんと95%という消化吸収率を誇ります。
つまり食べた分がほとんど無駄なく体内に取り込まれるということです。
これが大豆だとそうはいきません。
大豆を煎ったもので60%、煮豆で68%、消化にいいと言われる納豆でさえ85%の消化吸収率ですから、いかに豆腐が優れているかがわかります。
大豆のような植物性たんぱく質は繊維質が多く、消化吸収率が悪いのです。
豆腐は、一度大豆を砕いて豆乳にするので、そういった欠点を補っています。
そして、豆腐は栄養的に非常に優れており、消化吸収のよさもあって、体調が悪い人も安心して食べることができます。
よく病院食に豆腐料理が出るのは、胃腸に負担がかからず、必要な栄養分が摂れるからです。
豆腐の栄養分は、原料の大豆の成分によるのですが、同じ大豆でもその種類は色々。
国内で生産されている銘柄だけでも多数あり、それぞれ食感や味などに特徴があります。
特に注目したいのは、輸入大豆と国産大豆の栄養分の違いです。
国産大豆はタンパク質が多く、糖質、脂質、カロリーは低めです。
対して、大量に輸入され、消費されている海外の輸入大豆はどうでしょう?
国産大豆より安価で日もちが良いなど長所もあるのですが、一番の不安は遺伝子組み換え作物、GM大豆の問題です。
生産や流通に都合の良い作物を作るために遺伝子組み換え技術を利用し、品種改良されたものが作られました。
しかし、こうした作物にはまだ未知の部分が多く、生態系への影響なども懸念されています。
最近は、身近で安全な国産大豆を広く利用しようという取り組みも始まっているようです。
国産大豆は風味がいい上に、タンパク質の含有量が輸入物より格段に多く、豆腐づくりに適しています。
そして、無農薬のものが好ましいです。
粒の大きさに関しては、小さな粒でも構いません。
豆の芽(爪)には、茶芽、黒芽、白芽がありますが、豆腐には白芽が仕上がりもきれいです。
乳白色の豆乳、純白のおからを望むなら、白芽の豆を使用してください。